新春 オーガニック・ベジタリアン事情を巡る旅 アメリカ東海岸編
2002年年明け早々、阿里山カフェ担当の岡田と今里は、里帰り中の社長ジャックファミリーを追っかけて、アメリカへ飛びました。
彼の実家があるコネチカット、ボストン、そしてニューヨークで、ジャックとフェイが青春時代(今でも十分青春っぽいんですが)に入り浸っていたカフェというのが何たるものか、そして当地の自然食・オーガニックマーケット事情はどんなものなのか、実際に見て感じてほしいという2人の意向を受けて、あちこち歩き回って、食べて、ちょっぴり体重も増えて、そして大いに影響を受けて帰って参りました。
機内食もベジタリアンで
旅慣れている皆さんはもうご存じ、国際線の機内食はベジタリアンが選べます。もちろん事前予約。糖尿病の人のための食事、とかチョイスもある。私たちが頼んでおいたのは乳製品も一切使わないスペシャルミール。じーっと座っているだけの長時間のフライトに、ベジミールは体への負担も軽い。
行きの便では、カラフルなお豆入りピタサンドがスナックに出てラッキー。デザートには果汁の甘さや豆腐を使ったお菓子がついてくる。その「Now&Zen」なんていうメーカー名もおかしい。隣の人のチョコレートケーキもおいしそうなんだけど、ま、いっか。それから、スペシャルミールは一番最初に運ばれてくるから、ちょっと嬉しかったりする。でも帰りの便では3食ずっと同じものが登場して、さすがに苦情ものだった。当たり外れは覚悟しておいた方がいいかも。
激戦! ナチュラルフード・マーケット
ボストンに到着して最初にジャックが連れていってくれたのは、スーパーマーケットの「Bread&Circus」。新しくて清潔で広ーい店内、おしゃれでカラフルなレイアウトは、いかにもグルメな中階層に受けそうなスーパーといった感じ。違うところはここがオーガニック・ナチュラルフードのスーパーマーケットだということ。おっ、確かにアリサン・テングでもお馴染みのエデンフーズや、エイミーズやポールニューマンブランドがあるある。このお店は、とくに青果については、有機栽培のものと慣行農法のものを並べて販売している。値段は有機栽培の商品が少し高くなっていて、あとはお客さんのチョイス、というわけだ。
コネチカットではウエストポートにあるスーパーへ。老舗「Food For Thought」は、すぐ隣にできた「Wild Oats」にお客をとられて息も絶え絶え。「Wild Oats」はカフェスペースで音楽の生演奏や料理教室などイベントもやっている。デリで買った商品は内装も悪くないイートインスペースで食べることができるようになっている。住民にとって買い物の場は、同時にちょっとしたレジャーやコミュニケーションの場にもなっているんだろう。それに加えて、ある程度の規模のスーパーになると、同じくオーガニック食品を豊富に揃えているから、お店側も安穏とはしていられない。
一方で、たとえば greenwich village にあるインテグラルヨガセンターに併設された、キャリアの長い食料品店も、地元にしっかり根付いているようにみえる。草の根風のオーガニックショップから、ファーマーズマーケット、そして大型スーパーと、お客にとってはチョイスの裾野がぐんと広がって、嬉しい競争なのかもしれない。
ニューヨークで食べ歩き
とほほなことに2人揃って並外れた方向音痴な私たち。「911」事件以降、見上げるところ星条旗だらけのニューヨークの街を、雨と雪のなか、2日間で何ブロック歩きまわったんだろうか。そう、ニューヨークではカフェ・レストラン行脚をするのだ。なんとか目標の店を見つけて中に入ると、爽やかな笑顔で迎えられてほっとする。人のいるところ、カフェはなくてはならない。こういうのを街のオアシスとかいうのかな。
私たちが重点的に訪ねたのはベジタリアンレストラン。豆腐、ヒジキ、アラメ、インドネシアのテンペ、といった東洋の食材が、東洋人には思いもよらないような姿で登場すると、そっか、もっと遊んでもいいんだよね、と逆エネルギーをもらう。中東やヨーロッパやトロピカルな国のフレイバーを感じさせる料理も出てるし、まさにこっちのカフェは国籍を飛び越え、型にはまらない面白さがてんこ盛りでした。食材の組み合わせ、色使いの面白さなどをとっても、カフェで真似したい、取り入れたいアイデアもたくさん。
オーガニック小麦や地場野菜を使用しているおしゃれな「The City Bakery」で朝食にとったクロワッサン生地で作ったアップルマフィンのおいしさには2人とも感激してしまった。すでにアレンジされて、時折カフェのスイートメニューに登場しているので要チェックですよ〜。
市民権を得ているベジタリアン・オーガニック指向
そして、今回の旅を通じて感心したことは、当地のベジタリアン文化のふところの深さ、骨太さだろうか。健康志向の人も、ラクトベジもマクロの人も、フルータリアンでも誰でもOK!と豊富なメニューで迎えてくれるありがたさ。そこには、日本の菜食文化に時折感じる、禁欲的なわびさびとはまた違った、快楽的で情熱的なベジタリアンの世界が開けている。
翻って、私たちアリサン・テングナチュラルフーズでの仕事は、自然食品の販売だけではない。同時に、商品に込められた「Food For Thought、思考の糧」を提供していることなんだと自負している。しかし、その信念に劣らないといえるだけの、ベストのおいしさと楽しみを提供していきたい。
そんな私たちの情熱を、リアルタイムでお届けできる阿里山Cafeには、これからもますます乞うご期待なのです。
余談ですが、お土産選びには苦労しました。スタッフのために何か目新しい自然食品を見つけようと考えていたのに、これもあれもテングで見たことあるものばかり。当地でかなめのオーガニック食品はしっかり網羅している事実に、スタッフである私たちは今頃気がついたのでした。